TOP

/

Column

/

中小企業のホームページ制作で契約前に決め...

公開日

2026/7/20

refresh

2026/7/20

中小企業のホームページ制作で契約前に決めておきたい5つのこと

中小企業がホームページ制作会社を選ぶとき、あとから変えられるものと、契約前にしか決められないものがあります。上位19サイトを調べて分かった見落としやすい確認項目と、発注前に聞くべき質問文を整理しました。

中小企業がホームページ制作会社を選ぶときは、実績やデザインより先に、契約後では変更しにくい条件を確認します。

制作会社を探し始めると、どの会社のサイトにも「実績豊富」「デザイン力」と書いてあります。並べてみても違いが分からない。そのうえ金額の張る買い物ですから、失敗したくないという気持ちだけが大きくなっていきます。

この記事では制作会社の選び方として、公開後でも直せることと、契約前にしか決められないことを分けたうえで、発注前に確認しておきたい5つの項目と、そのまま使える質問文をまとめました。

中小企業のホームページ制作会社選びで決まること

中小企業のホームページ制作会社選びとは、デザインの好みを選ぶことではなく、公開後に自社がサイトをどう扱えるかの条件を決めることです。

サイトは公開してからのほうが長く付き合います。お知らせを出す、写真を差し替える、問い合わせが増えない原因を調べて直す。この作業を誰がどこまでできるかは、実は契約の時点でほぼ決まっています。

先にお断りしておくと、私たちuon(ウオンクリエイト)もホームページを作る側の会社です。ですのでこの記事では、どこか特定の会社をおすすめすることはしません。ご自身で見分けられるようになるための材料だけをお渡しします。

すでにサイトをお持ちで、作り直すべきか迷っている段階であれば、ホームページリニューアルの判断基準のほうが先に読んでいただくとよいかもしれません。

なぜ「作ったのに成果が出ない」が起きるのか?

ホームページで成果が出ない原因の多くは、デザインの出来ではなく、公開後に更新し改善する前提が設計に入っていないことにあります。

ご相談をお受けしていると、デザインだけに力が入っていて、集客や更新の設計が抜けているサイトによく出会います。見た目はきれいです。写真も整っています。ただ、誰に何を伝えて、どう問い合わせにつなげるのかという線が引かれていない。

丸投げにすると何が起きるか

書類をファイルに仕分けしている手元。あとから変えられるものと契約前に決めるものを分けて整理するイメージ

以前、ある自動車業界のお客様のサイトを拝見したときもそうでした。制作会社に作ってもらったものの、その後は更新されず、最低限の内容が置かれたままになっていました。悪い会社に当たったという話ではありません。「作って納品するところまで」が仕事の範囲で、その後を誰が担うかが決まっていなかっただけです。

任せること自体は悪くありません。ただ、任せる範囲を決めずに丸ごと預けると、公開後に何をどう頼めばいいのかが自社側に残らなくなります。

Q&Aサイトや SNS でも、見た目は良いのに問い合わせにつながらない、数文字の修正でも業者に頼まないといけない、といった声を見かけます。作った後にどう扱うかを決めていないと、こうした状態になりやすくなります。

なお、すでに公開したサイトから集客できていない場合は、デザインではなく目的設計と導線から原因を切り分けます。考え方はWEB集客で成果を出すためのポイントにまとめています。

制作実績の見方も、ここに関係します。事例が何件あるかより、公開から2年以上経った事例が今も動いているかを見てください。制作会社のサイトに載っている事例のURLをそのまま開き、お知らせの最終更新日を確かめるだけで、その会社が公開後にどう関わっているかが見えてきます。

発注後に変えられること、契約前にしか決められないこと

白紙のクリップボードが並ぶ様子。契約前に確認する5項目のチェックリストのイメージ

ホームページ制作では、デザインや文章は公開後でも直せますが、ドメインの名義や更新の権限は契約の時点で決まり、あとから変えるには相手の協力が必要になります。

下の表は、ホームページ制作で決めることを、あとから変えやすいものと、契約前に決めておきたいものに分けたものです。前者は多少迷ったまま進めても取り返しがつきます。後者は、あとから動かそうとすると相手の手続きが必要になります。

ホームページ制作で決めること(2026年時点)

決めること

変更のしやすさ

デザイン・配色

あとから変えやすい

文章・写真

あとから変えやすい

ページの追加

あとから変えやすい(費用の条件は要確認)

ドメインの名義

契約前に確認

サーバーの契約者

契約前に確認

自社で更新できる範囲

契約前に確認

制作データの引き渡し

契約前に確認

解約時の移行条件

契約前に確認

打ち合わせの時間は限られています。だとすれば、「契約前に確認」と書いた項目から先に話すべきです。

ではドメインは誰の名義にするのが正解か。自社で管理を持ちたい、将来ほかの会社に頼む可能性がある。そうであれば自社名義が無難です。逆に社内に管理する人がいないなら、制作会社の名義でまとめてもらう選択も現実的です。どちらでも構いません。避けたいのは、誰の名義になっているかを知らないまま進めることだけです。

ホームページ制作会社と契約する前に確認する5つのこと

打ち合わせで資料を見ながら進め方を相談している手元の様子

ホームページ制作会社と契約する前に確認したいのは、ドメインの名義、サーバーの契約者、更新できる範囲、制作データの引き渡し、解約時の移行条件の5点です。

契約前の確認項目は、検索の上位に出てくる記事でもあまり触れられていません。実際に数えてみました。

論点

見出しで触れていたページ

デザイン・制作事例

16 / 19ページ(84%)

費用・相場

14 / 19ページ(74%)

ドメイン・サーバーの所有権、データの引き渡し

1 / 19ページ(5%)

2026年7月20日、Google検索「中小企業 ホームページ 制作」の上位20件をキーワードツールの見出し抽出機能で取得し、重複を除く19ページの見出しを対象に数えました(uon調べ)。見出しのみを対象にした集計のため、本文中で軽く触れているページは含まれていません。実際の言及率はこれより高い可能性があります。検索結果は時期や地域によって変わります。

費用やデザインの情報はたくさんあるのに、所有権の話はほとんど出てきません。ここが見落としやすい理由だと考えています。

1. ドメインの名義

ドメインには「登録者」という立場があります。JPRS(株式会社日本レジストリサービス)のよくある質問「JPドメイン名の各種申請について」(2026年7月20日確認)によると、指定事業者に関する情報の開示は、登録者または登録・技術の連絡担当者であることが確認できた場合に行われるとされています。つまり自社が登録者でない場合、指定事業者に関する情報の開示を求めても、そのままでは受け取れないことがあります。名義の変更も、管理を委託している事業者を通じた手続きが必要です。

質問文:「ドメインはどなたの名義で登録されますか。当社名義にできますか」

2. サーバーの契約者

サーバーも同じです。制作会社がまとめて契約している場合、解約や移転のときに自社だけでは動かせません。任せること自体は問題ありませんが、契約者が誰かは知っておきます。

質問文:「サーバーの契約者は当社ですか、御社ですか」

3. 自社で更新できる範囲

お知らせの投稿、写真の差し替え、ページの追加。どこまでを自社で操作できて、どこからが依頼になるのかを、公開前に線引きしておきます。ここが曖昧だと、数文字の修正でも都度依頼が必要になり、更新が止まる原因になります。

「管理画面から更新できます」という説明を受けたら、そこで止めずに具体的に確かめてください。お知らせの投稿だけなのか、写真の差し替えやページ追加までできるのか。範囲によって、公開後にかかる手間はまったく変わります。

質問文:「公開後、当社側で更新できるのはどの範囲ですか。依頼が必要な作業と、その費用の目安を教えてください」

4. 制作データの引き渡し

写真、ロゴ、デザインデータ。将来ほかの会社に頼むことになったとき、これらを引き渡してもらえるかどうかで手間が大きく変わります。

質問文:「制作したデータは納品されますか。対象になるのはどこまでですか」

5. 解約時の移行条件

考えたくない話ですが、契約前にしか聞けません。制作会社が事業をやめる可能性もあります。名義とデータの所在が分かっていれば、少なくとも次の手が打てます。

質問文:「契約を終了する場合、サイトとドメインはどうなりますか」

5つとも、聞くのに専門知識は要りません。この質問に対して、面倒がらずに説明してくれるかどうか自体が、その会社の姿勢を測る材料にもなります。

お手元に見積書や提案書がある状態でしたら、お問い合わせフォームからご相談いただければ、この5項目がどう書かれているかを一緒に確認します。制作のご依頼を前提としたご相談でなくても構いません。

見積もりは金額以外の何で比べる?

ホームページ制作の見積もりは総額だけでは比べられないため、含まれる範囲と、公開後に追加で発生する費用の条件を並べて確認します。

相場を調べようとすると、制作会社や比較メディアが公開している情報では、数万円台から100万円以上まで、情報源によってまったく違う金額が出てきます(2026年7月20日確認・いずれも制作会社や比較メディアの発信)。中央値や平均値の示し方もばらばらです。私たちが調べた範囲では、公的機関がまとめた相場データは見つけられませんでした。ですので、この記事では具体的な金額を相場としては書きません。

見積書を並べたときは、金額欄ではなく次の4箇所を横に並べてください。

  1. ページ数に、原稿と写真の作業範囲が含まれているか。「原稿はご支給ください」という前提なら、文章を書く手間は自社に残ります

  2. 公開後の保守に何が含まれるか。「サーバーとシステムの管理です」だけの場合、更新作業は別料金と考えておく

  3. 追加ページや修正が発生したときの費用条件。単価が決まっていなければ、その都度の見積もりになります

  4. 初年度と2年目以降で金額が変わるか。初年度だけ制作費を含み、翌年から保守費のみに下がる形かどうかを確かめます

安い見積もりが悪いわけではありません。含まれる範囲が違うだけ、ということがよくあります。総額だけを見比べて安いほうを選ぶと、公開後に追加費用が重なって結果的に高くつくことがあります。

集客に強いホームページ制作会社かどうかは、何を聞けば分かる?

集客に強い制作会社かどうかは、最初の打ち合わせで事業の目的と、公開後にどう改善するかを聞いてくるかで見分けられます。

私たちは、デザインの好みより先に、何を増やしたいのかを整理することを大切にしています(戦略立案から関わる方針のためです)。問い合わせなのか、採用の応募なのか、既存のお客様への案内なのか。ここが決まらないと、どのページに何を置くかが決められません。事業の話を聞かずにデザイン案から始まる提案は、少し立ち止まって考えてよいと思います。

問い合わせる前に準備しておくこと

逆に言えば、問い合わせる前に「何を増やしたいのか」を一言で決めておくと、どの会社と話しても議論が早く進みます。問い合わせを増やしたいのか、採用の応募を集めたいのか。それだけで、各社の提案の当たり外れが判断しやすくなります。数字の目標まではこの段階で不要です。

もうひとつ、分かりやすい判断材料があります。検索順位の保証です。

Googleは公式ドキュメントで、Google検索で1位を保証できる人は誰もいないと明言しています(原文: "No one can guarantee a #1 ranking on Google." / Google 検索セントラル「Do you need an SEO?」2026年7月20日確認)。あわせて、Google検索に「認められている」「承認されている」と称するツールには注意するようにとも書かれています。Googleはサードパーティのツールを評価・推奨していないためです。

ですから、「1位を保証します」「Google公認のツールを使っています」という説明が出てきたら、その根拠を必ず聞いてください。

同じドキュメントでGoogleは、業者を選ぶときに次の3点を確認するよう勧めています。

  • 過去の実績と成功事例を見せてもらう

  • どんな変更をするのかを詳しく説明してもらう

  • 期待できる成果と、その測定方法を確認する

変更内容を明かさない会社や、説明が曖昧な手法には注意するように、とも述べられています。制作会社選びにもそのまま当てはまる観点です。

よくある質問

中小企業のホームページ制作でよく聞かれるのは、見積もりの差、費用の相場、制作期間、依頼先の選択、保守の中身、倒産時の扱い、そして順位保証の7点です。

見積もりが3社でバラバラなのはなぜですか

含まれている作業範囲が会社ごとに違うためです。同じ「5ページのサイト」でも、原稿と写真をこちらで用意する前提か、取材して作る前提かで金額は変わります。公開後の保守が含まれているかどうかでも変わります。金額の差が気になったときは、値引き交渉より先に、何が含まれているかを揃えて比べてください。

なぜこの記事には費用の相場が書かれていないのですか

公的機関がまとめた相場データを見つけられなかったためです。制作会社や比較メディアの発信では数万円台から100万円以上まで数字が割れており(2026年7月20日確認)、どれかを相場として示すと判断を誤らせると考えました。金額そのものより、見積書に含まれる範囲で比べることをおすすめします。

制作期間はどのくらいかかりますか

制作期間は規模と進め方で変わるため一律には言えませんが、期間を左右するのは制作側の作業より、原稿と写真がそろうタイミングであることが多いです。見積もりを取る段階で、自社側で用意するものと、その提出期限を確認しておくと予定が立てやすくなります。

制作会社とフリーランス、どちらに頼むのがよいですか

どちらが優れているという話ではなく、体制の違いです。会社は担当者が変わっても引き継げる可能性がある一方、フリーランスは窓口が一人で話が早いことがあります。判断の分かれ目は、窓口が一人という前提を受け入れられるかどうかです。受け入れられないのであれば、複数人で回している会社を選んでください。

保守契約には何が含まれますか

契約によって内容が大きく異なります。サーバーや管理画面(サイトを自分で更新するための画面)の管理だけを指す場合もあれば、更新代行や改善提案まで含む場合もあります。月額の金額だけで比べず、含まれる作業を書き出してもらってください。

制作会社が倒産したら、ホームページはどうなりますか

ドメインとサーバーの名義、そして制作データがどこにあるかによって影響が変わります。自社名義で契約していれば、別の会社に引き継いで運用を続けやすくなります。契約前に確認しておくことが、実質的な備えになります。

SEOで1位を保証する会社は信頼できますか

Googleが公式に、順位を保証できる人はいないと述べています。保証をうたう提案があった場合は、何をもって保証とするのかを具体的に確認してください。

まとめ

中小企業がホームページ制作会社を選ぶときは、実績やデザインより先に、契約後では変更しにくい条件を確認します。

契約前に確認したい5つは、次のとおりです。

  1. ドメインの名義

  2. サーバーの契約者

  3. 自社で更新できる範囲

  4. 制作データの引き渡し

  5. 解約時の移行条件

デザインや文章は、公開したあとでも直せます。けれども、この5つを知らないまま進めると、数年後に選択肢が狭まります。相見積もりを取る段階で、同じ質問を各社にしてみてください。答え方の違いに、その会社の姿勢が出ます。

所有権と更新権限の確認は、私たちが聞かれる側でもある質問です。uonは、ホームページ制作・グラフィックデザイン・集客施策実行支援を戦略立案から一気通貫で行う、大阪府堺市のデザイン×マーケティング支援事務所です。

どの項目をどう確認すればよいか迷う場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。まだ会社を決めていない段階でも、制作のご依頼を前提としないご相談でも構いません。手軽に聞いてみたい場合はLINEからもご連絡いただけます。

この記事を書いた人

山口 力。大阪府堺市のデザイン・マーケティング支援事務所 uon 代表。ホームページ制作からグラフィックデザイン、広告・SNS運用までを戦略設計から一貫して手がけ、WEB担当者のいない中小企業の集客を支援しています。

プロフィール・事業内容